マクロスF全話見終わっての感想

今期からいろいろアニメ見始めて、その中でも一番の期待株というか、出だしのクオリティが半端なかったせいで期待されすぎた作品……という印象でした。


そもそも序盤から脚本の人選に対して不安視する声が方々で聞かれていて、そういう意見の人たちにとっては嫌な予感が当たったんだろうな、と想像します。
昔からマクロスはこんなだからと言われても、放送してるのは今なんだし……。


CGはクオリティダウンするはずが無いものとして、人物作画については、見てたアニメのなかで比べれば、言ったら悪いけど全体的には最低レベルでした。
4話から6話あたりの時点で既に怪しかったし。
これはむしろ、他のアニメを見ていてレベル高いなぁと感心した裏返しなんですが。
精霊の守り人ガンダムOO、紅、ソウルイーターコードギアスなどなど。
そんな中でマクロスFがけったいな人物作画が見られる希少な存在となってしまっていたのがなんとも。
例外的に、キャシーは作画が怪しいときにその魅力が発揮されるこれまた稀有な存在でした。ダイスキです。小じわチェック。
作画に関しては、バンクの使い方も不満でした。1話のコンサートのシーンは使いまわす類のものじゃないと思ったんですが……。


音楽は確かに良かったです。CDも買いました。
ただ、「マザーズ・ララバイ」の回で一瞬登場した(多分)坂本真綾バージョンのアイモアイモが素晴らしすぎて、ランカの歌声がどれだけ感情のこもってない(出せていない?)ものかを思いっきり認識させられました。
好きな曲は数あれど、殆どシェリルの曲だったなぁ。


作品を通して声優としての成長を期待されていたランカの中の人も、成長する前にレコーディングしたアイモをいつまでも使われる羽目になったのは気の毒というか。
正直飽きました……。
戦闘用アレンジのアイモ、あのショボさがストーリー的には無理やり感があって正解だったんだろうけど、フルオーケストラでもっとはじけたアレンジとかにしてくれていたらもう少し盛り上がったんじゃないんでしょうか。素人考えですが。


そんなわけでだんだんテンションが下がっていって、次の週までにもう一度見ておこうという気が起きなくなったのはガリア4編が終わったあとぐらいでした。
まあ、テンションが下がった原因は上で言った作画でもなく歌でもなく、やっぱりストーリーの乗り切れなさというか、もう少し上手に料理してよ……というもどかしさ。


最たるものがナナセの扱いでしたね。一生懸命ランカの衣装デザインしていたのは何だったのか……。
人生が地味にままならない事を表現したかったわけでもないでしょうに。


あと、最後までこっそり期待していたのは、三角関係の摩擦部分がどう描写されるのか。
……結局、最後までまったく何事もありませんでした。これはトライアングラーじゃなくてハーレムといいます。一番残念だったのはここかもしれません。
昼ドラ顔負けのドロドロをも覚悟していたというのに。第1話の華やかさと、そのドロドロのギャップを楽しもうと待ち構えていたというのに。一時的な答えすら出さなかった、何もしない主人公。とりあえず髪を切れ。
よく考えたら誰もちゃんと愛の告白自体をしていないんですよねぇ。それっぽいことは言うけども。


文句だらけでアレなんで、良かった点は……
●1話のシェリルのコンサート直前の会場周辺の雰囲気。これは文句ナシでした。これ以後は、ろくにこんなきめ細かい空気作りにはお目にかかれませんでしたけど。
●「スター・デイト」のシェリルの可愛らしさ。ランカにこれだけ充実したサービスシーンが無かった時点でスタッフの愛情的にも勝負ついちゃってたんじゃないでしょうか。
●7話の戦闘シーン。これでもかの出欠大サービス。結局、戦闘シーンの見所はこの話で全部出し尽くしてしまいましたけど。
●ミシェルとバジュラの格闘戦。血まみれのミシェルが凄く良かった。あと、BGMの同調も身体が震える感じで。
あの演出のあとで、ミシェルが生きてるかもしれないじゃないかとか、とてもじゃないけど思えない。でも結構普通にそんなこと言ってる人がいて、個人的には意外だった。
●最終話のグレイスの死ぬ直前の表情。セリフが無かったところがよかった。
●最終話の戦闘(絵面だけ)。バトルギャラクシーもクイーンもいるだけでろくに動かなかったので無策にしか見えなかったけど、アルト(とブレラ)の突撃のあたりはスピード感満点で満足。ただ、戦闘にまるで中身が無くて、確かにメドレーとのシンクロには圧倒されたけども、見てる間、脳が働いてなかった。ゲームのオープニングを見てる感じ。


なんというか、ちまちまと、すごくピンポイントなんですよ。
ストーリーに大きなうねりがないせいで、全体を俯瞰しにくいというか、やってることは今日もバジュラが襲ってきたぜ!っていうだけだったので。
どうしても作品全体を通してココが良かった、この話からこの流れにいたるまでが共感できる、とか、そういうのがございませんでした。
クォーター離反でようやく話が動き出したかと思ったらたった一話で無かったことになってるみたいな、ね。
第三勢力が欠如していたとも言えるのかなぁ。


なんだかんだで最後まできっちり見たので、もう一度一通り見てみようかとは思っています。ピンポイント萌えは最近の瞬間芸を祭り上げる風潮にマッチしているんでしょう。見直せばこんなシーンもあったなぁシェリルかわいいなぁと思い出したりも出来ると思います。ただ、それで満足するしかないのは寂しいですね……。


今夜はガンダムOOの再放送、最終話。
こちらは終盤俄然面白くなってきていて、トリニティ登場あたりから空気が一気に変わりましたよね。マクロスにもこれがあったらなぁ……と残念な感じです。


そういえば劇場版。別に嬉しくも無いですけども。
本編がこの出来なので、作画クオリティアップぐらいしか期待できることはなさそう。曲は良いの出てきて当然だし。脚本はどうせ同じ人なんだろうし。