ARIA終了

ARIA(12) (BLADE COMICS)

ARIA(12) (BLADE COMICS)

数本あるお気に入り漫画のうちの最大の一角が落ちてしまいました


いつまでも続きそうな、何気ない日常。
それが、この12巻の最初のエピソードによって急に舵を切られた感じ。
あの爺さんの「これまでのARIAらしくない」一言が、この巻の全てを物語っていました。


11巻ラストでアリスが昇格したのを皮切りに、全員の運命が一度に切り替わって行く。
現実世界でいうと、ちょうど3月。自分も変わって周りの人も変わっていく季節と重なります。
就職とか、受験とか。
この時期に完結となったのはとてもタイムリーでした。


作者は特別意識はしてないかもしれないけど、やっぱりこれは読者にも「いつまでもぬるま湯に浸かってんなよ」的なメッセージがこめられているのでしょう。
エヴァみたく。
ただし、あくまで優しく。もっと先があるからね、という。


ぬるま湯といえば、どっちかというとアリシアさん結婚の方がぐさっときましたけども。
ちょっとアレはずるいと思います。それさえなければ手放しでお祝いできる最終巻だったのに……。
ARIA完結に先だって、ネット上でアリシアの結婚が各地で報じられました。
正直不快というか、終わるならすんなり終わって欲しかったというか……。ネットで増幅される怨念が、雑音として私をいらつかせたり。
私にとって、騒ぎを増幅させるアニメ化は余計でした。
本当はアニメとか、月刊ウンディーネとかにも手を出したかったのですが(出来がいいのは予想していたし実際そうだったのでしょう)、なんとなく金儲けに走っている印象を受けて、結局漫画と画集と水橋かおり版ドラマCDしか買いませんでした。……結構使ってますねw
よーするにアニメが始まってから、あえて遠ざけていたのです。

とはいえ、全体的に素晴らしい漫画であった事は確かです。
経験上、連載が終わった漫画にいつまでも執着できないタチなので、そのうちどうでも良くなるのでしょうが、どうでもよくなるにはあまりにももったいない漫画として、本棚と心の片隅にいつまでも置いておきたい作品でした。